日本の高い工業技術が集まるのが「町工場」。
機械では到達することのできない次元の
精度を誇るその技術の高さは、
例えば東大阪の町工場から生まれた
超小型人工衛星「まいど1号」などでも知られています。
そんな中、東京・大田区の町工場にも
超絶技工を持つ職人さんが!
今回は旋盤職人・岩井仁(ひとし)さんをご紹介します。
出典元:https://wedge.ismedia.jp/
目次
岩井仁さん(旋盤職人)の金属加工技術がスゴイ!
東京都大田区・蒲田には、多くの町工場が集まっています。
その中の一つが、有限会社岩井製作所。
トタン屋根の工場はわずか10畳。
なかなかレトロなたたずまいですよね(^^ゞ
まさか、ここから日本屈指の精密加工品が
生み出されるとは..(失礼!)
出典元:https://www.tbs.co.jp/gacchiri
岩井さんが専門とするのが旋盤(せんばん)。
機械で加工したい金属をグルグルと回転させながら
刃で削っていくという作業。
驚くべきはその精度。
なんと、0.01mmの精度を実現してしまいます!
ちなみに、日本人女性の髪の毛の太さは平均0.08mm。
「針の穴に糸を通す」どころではない
コントロールが求められます!
この道50年の岩井さん、
手の感覚だけで金属の太さをピッタリと
合わせてしまう恐ろしいまでのスキルをお持ちなのです☆
目標となる太さまで寸分の狂いなく、
しかも定規などで計測することもせずに
一気に仕上げてしまう技術には驚愕!
これほどまでに高精度な技術を持つ職人さんは
日本、いや世界を見てもほとんどいないそう。
そこで、岩井さんが手掛けてきた金属製品は
数々の国家プロジェクトに貢献してきました!
・新幹線
・瀬戸大橋
・原子力発電所
ちょっとスケールが大きすぎて、よくわかりません(^^ゞ
新幹線に納めたのは「ダンパー」という
走行中の車体の揺れを抑える部品。
1台の車両に4本、車輪のそばに付いているそうです。
瀬戸大橋に使われているのは「シリンダー」という
ワイヤーを制御するもの。
やはり、高い精度が求められるとのこと。
シリンダーの一例。
出典元:http://www.y-precision.co.jp/
そして、原発では、緊急時に燃料棒を
制御する装置のシリンダーの加工依頼が来ました。
今や、国内メーカーが作った原発の約半分に
岩井さん作のシリンダーが採用されているそうです!
いずれも人命に関わる大切なパーツ。
そのプレッシャーたるや、常人の理解の
範疇を超えていることでしょう(>_<)
また、どの依頼も一つ一つがオーダーメイドとも
言える特注品で、しかもその数は少量。
大手企業の機械による大量生産では
技術的に不可、コストも釣り合わないという
ことで、岩井さんに白羽の矢が立ったとのこと。
これぞ職人冥利に尽きますね♪
実は、元々は会社員だった岩井さん。
父親が板金業をしていましたが、若い頃には
後を継ぐつもりはなく一旦は就職、
しかしその後に腕っぷし一つで勝負の
世界に飛び込んだとのこと。
やはり職人の血が騒いだのでしょうね( ̄ー ̄)
日本のシルバーはまだまだ元気☆
交通誘導員の華麗な手さばきに刮目せよ!
岩井仁さん(旋盤職人)の後継者は子供?
御年85歳で現役バリバリの岩井さんですが、
中小零細企業の多くが抱える問題、
後継者については目途が立っているのでしょうか?
残念ながら、調べた限りでは岩井製作所の
後継者の方についての確定的な情報を
得ることはできませんでした。
過去のインタビューでお子さんがいることは
わかりましたが、後継ぎとなるかどうか
まではわかりませんでした。
また、大田区では「大田の工匠」という
人材育成事業を手掛けており、
岩井さんに技術指導を受けたり相談をすることが
できるシステムがあるそうです。
こうした活動の中から、岩井さんの
スキルを受け継ぐ次世代の職人さんが
育ってくれることを願いたいですね♪
まとめ
だれにもマネできない超絶技工で
日本を支えている職人さんで、
「プロフェッショナル」にも出演される
岩井仁さんについてお届けしました。
AIやロボットなどがどれだけ進歩したとしても、
やはり人間に敵わない分野というのは
ちゃんとあるのですね。
岩井さんの職人魂にシビれました☆
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