日本の伝統美術といって多くの方が
思い浮かべるのが仏像彫刻。
奈良や鎌倉の大仏、東大寺南大門・金剛力士像、
“イケメン仏像”として話題の興福寺・阿修羅像などなど・・
そんな中、現在日本のみならず世界中から注目されるのが
仏を掘る彫刻家=仏師の加藤巍山(かとう ぎざん)さん。
海外のオークションでとんでもない落札価格が記録された
加藤さんについてご紹介していきます。
出典元:https://gizan.tokyo/
目次
加藤巍山さんの3千万円の作品とは?
2020年9月に、ニューヨークのオークション
「クリスティーズ」に出品された加藤さんの作品。
落札価格は驚きの312,500ドル!
日本円にして約3,200万円!
果たしてどのような作品なのでしょうか?
それが、こちら。
タイトルは「示現・Ⅰ」。
出典元:https://gizankatoh.exblog.jp/
威厳のある雰囲気が、とてもカッコいいですよね。
ヒノキ造りで、高さは約110cm。
普通に考えれば仏像?と思いきや、
何か特定の仏様を元にしたわけではないそうです。
平安時代に確立された造仏の技法で彫られ、
「祈る」姿を現しているんだとか。
また、特徴的なのが、寄せ木をつなぐ“かすがい”を
あえて見せている点。
伝統的な「寄せ木造り」という技法では、かすがいで木をつなぐそうですが、
現在では技術が上がり、また接着剤を使ったりすることで、
かすがいがなくても作品を作ることはできるそうです。
出典元:https://gizankatoh.exblog.jp/
そこで、敢えてかすがいを使うことで
伝統技術と現代美術を合わせることにした加藤さん。
身体にかすがいが打ち込まれていることで、
磔(はりつけ)にされたキリストのような
雰囲気までも出してしまいました。
スゴすぎますね・・
こうしたところも、海外のコレクターさんから
高く評価されての3,000万円ということであれば、
誰もが納得ですよね(^^ゞ
孤高の陶芸家、辻村史朗さんの特集はこちらから☆
加藤巍山さんの麒麟はどこで見られる?
加藤さん渾身の作品を一度見てみたい!という方も多いはず。
どこで見ることができるのでしょうか?
直近の作品に関してだと、
例えば岩手県大槌町の江岸寺の「釈迦如来坐像」や、
奈良県御所市の葛城一言主神社の「雄略天皇像」など。
個展に関しては、新型コロナの影響からか、
残念ながらここ最近では開催されていないようです。
2019年には日本橋高島屋で個展があったそうなので、
また落ち着いたら鑑賞できるかもしれません。
また、今後作品がお披露目となる可能性があるところとしては、
東京都目黒区の五百羅漢寺があります。
こちらにお目見えするのは、麒麟像!
当初は2021年5月に奉納予定でしたが、延期が決定、
2021年秋頃に完成するとのことです。
もうしばらくの辛抱ですね。
こちらは、クラウドファンディングによって
プロジェクトが進行しています。
目標金額350万円に対して、500万円超の支援がありました!
江戸時代にはお寺に安置されていたという麒麟像ですが、
多くの仏像とともに失われてしまいました。
それを現代に復活させよう!という取り組みなんだそうです。
麒麟は神聖な幻の動物。
慶事の前触れ、吉兆をあらわす動物として知られています。
大河ドラマでも“きました”よね。
クラファンに支援した方の名前が記載された木札が、
麒麟像の胎内に納められるそうです。
これは羨ましい・・
こちらは粘土で作られた模型。
完成が楽しみですね♪
出典元:https://readyfor.jp/projects/rakan-kirin
加藤巍山さんと小野大輔さんの関係は?
加藤さんについて調べていて気になったのが、
関連キーワードどとして候補に出てきた「小野大輔」。
“小野D”の愛称で知られる声優・小野大輔さんと
加藤さんの関係は?
出典元:https://twitter.com/DD_TFM
実は、小野さんは大の仏像マニア。
小野さんのラジオ番組に加藤さんがゲスト出演したり、
上述のクラウドファンディングでも小野さんが
応援メッセージを寄せたりといった関係がありました。
小野さんは大学生の時に、みうらじゅんさんのマガジン
『仏像ロック』を見て以来、仏像や寺社にハマってしまったとのこと。
過去には東京国立博物館で開催された「運慶展」の
音声ガイドも務めたということで、ホンモノですね(笑)
まとめ
稀代の仏師、加藤巍山さんについてご紹介しました。
東日本大震災の復興やチャリティプロジェクトにも
数多く参加、出品されている加藤さん。
加藤さんの作る仏像たちの「祈り」で、
新型コロナが早く落ち着くといいですね(^^
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